南海トラフ巨大地震、「岐阜県」の詳しい被害予想と危険エリア
南海トラフ巨大地震は、日本の太平洋沿岸地域を中心に広範囲に甚大な被害をもたらすとされていますが、実は山間部の岐阜県も例外ではありません。
岐阜県は内陸県であり、津波の直接的な影響は受けにくいものの、強い揺れによる地震被害、土砂災害、ライフラインの停止などが大きなリスクとなっています。
この記事では、データに基づく岐阜県の具体的な被害予測を詳細に説明します。
1. 地震動による建物倒壊のリスク
岐阜県は、震源地からの距離が比較的近く、特に南部の地域では強い揺れが予想されています。震度6強以上の激しい揺れが観測される地域が広がる可能性があり、建物の倒壊リスクが非常に高くなります。
- 耐震性の低い住宅や古い建物の倒壊リスク
岐阜県内の古い住宅や耐震基準を満たしていない建物は、倒壊の危険性が高いとされています。県内の住宅の耐震化率は70〜80%と比較的高いものの、古い木造建築物などは特に倒壊リスクが高く、住宅密集地では被害が拡大する可能性があります。 - 県内での建物被害予測データ
内閣府のシミュレーションによると、岐阜県内では南海トラフ地震による建物被害が最大で約20,000棟に及ぶ可能性が指摘されています。この中には住宅だけでなく、公共施設や商業施設も含まれます。
2. 土砂災害の危険性
岐阜県は山間部が多く、地震による地盤の緩みから土砂崩れや山崩れのリスクが非常に高い地域です。特に、岐阜県飛騨地方や美濃地方の山間部では土砂災害の発生が懸念されます。
- 岐阜県の土砂災害危険箇所
岐阜県内には、土砂災害の危険が高いとされる地域が多く存在します。国土交通省のデータによると、岐阜県全体で約4,300箇所が土砂災害危険箇所として指定されています。これらの地域では、地震後の余震や降雨によってさらなる土砂災害が引き起こされる可能性が高いです。
3. 交通・インフラの影響
南海トラフ地震の影響で、岐阜県内の主要な交通インフラにも深刻な被害が及ぶことが予想されます。
- 道路・鉄道網の寸断
岐阜県内を通る主要な幹線道路や高速道路(東海北陸自動車道、名神高速道路など)や鉄道(東海道本線、高山本線など)が寸断され、物流や避難、救援活動が大きく制限される恐れがあります。 - 停電や断水の長期化
地震によるインフラ被害により、県内全域で停電や断水が広範囲で発生することが予測されます。特に内陸部での電力供給の復旧には時間がかかるとされ、数日から数週間にわたる停電が発生する可能性があります。
4. ライフラインの停止と避難生活
地震による交通網の寸断やライフラインの停止により、岐阜県内では長期的な避難生活を強いられることが予想されます。
- 避難者の推計
内閣府のシミュレーションによれば、岐阜県内での南海トラフ地震による避難者数は数万人規模に達すると予測されています。特に建物の倒壊や土砂災害の危険が高い地域では、多くの住民が避難生活を余儀なくされるでしょう。 - 避難所での生活環境
地震後の避難所生活においては、食料や水、医療物資の不足が懸念されています。また、冬季に地震が発生した場合は寒さ対策が特に重要となり、毛布や暖房設備の確保が課題となるでしょう。
5. 死者・負傷者の推計
岐阜県における南海トラフ地震の被害推計では、最悪のケースで死者数が1,000人以上、負傷者数は10,000人以上に達する可能性があるとされています。これは、危険だと言われている沿岸部の愛知、三重、静岡と変わらない、むしろ岐阜の人口母数から言うと多い数字です。
これには、建物の倒壊による直接的な被害だけでなく、土砂災害や火災、ライフラインの停止に伴う二次被害も含まれます。
6. 復旧・復興の課題
岐阜県は南海トラフ地震の被害を受けた後、復旧・復興に長期間を要することが予想されます。特に、交通網やインフラの再建、住宅の再建などは数年にわたる取り組みとなるでしょう。
- 復旧にかかる時間とコスト
岐阜県内での復興には、数千億円規模の予算が必要とされており、特に交通インフラの再建には多大な時間とコストがかかると見込まれています。また、被災した住民の生活再建も長期的な支援が必要とされるでしょう。
岐阜で特に「危ない」と言われているエリア(市町村)
岐阜県内で、南海トラフ巨大地震の影響を受ける際に特に危険とされるエリアは、地形や過去の災害履歴から特定されています。
岐阜県は広範囲にわたり地震の影響を受ける可能性がありますが、特に次のエリアが危険とされています。
1. 土砂災害危険地域
岐阜県は山間部が多いため、地震による土砂崩れや山崩れが発生するリスクが非常に高いです。特に、次の地域は土砂災害の危険性が指摘されています。
- 飛騨地方(高山市、下呂市、飛騨市など)
- 飛騨地方は山岳地帯が広がっており、地震による斜面崩壊や土石流のリスクが高いです。特に過去に大雨や地震による土砂災害が発生したエリアでは、さらに危険が増すとされています。
- 高山市や下呂市は地震後の降雨が加わることで、広範囲にわたる土砂崩れの可能性が高いです。
- 美濃地方の山間部(郡上市、関市、恵那市など)
- 美濃地方も山岳地帯が多く、岐阜県内の土砂災害危険箇所が多く存在します。郡上市や関市、恵那市などの山間部は、特に山崩れや斜面崩壊のリスクが高い地域です。
2. 地盤の弱い地域(液状化のリスク)
液状化は地震動によって地盤が急激に緩み、建物や道路が沈下する現象です。岐阜県内でも一部の地域は地盤が弱く、液状化のリスクが高いとされています。
- 岐阜市南部や各務原市
岐阜市の南部、特に長良川沿いの平野部や低地、各務原市周辺の低地では、過去の地震でも液状化現象が発生する可能性があるとされています。これらの地域は、地盤が軟弱なため、建物やインフラが大きな被害を受けやすいです。 - 揖斐川・木曽川沿いの低地
大垣市や養老町など、揖斐川や木曽川に沿った低地も液状化リスクが高い地域です。これらのエリアは埋立地や軟弱地盤が多いため、地震時には液状化が発生し、建物や道路の沈下が起こる可能性があります。
3. 揺れが強いと予測される地域
岐阜県南部の一部地域では、震源に近いことから揺れが強くなると予想されています。
- 瑞浪市、恵那市、多治見市などの東濃地域
- これらの地域は、南海トラフ巨大地震の影響を強く受けるとされ、震度6強以上の揺れが予測されています。特に、地震の際に耐震性の低い建物が倒壊するリスクが高い地域です。
- 中濃地域(美濃加茂市、可児市など)
- この地域は南海トラフの震源域に比較的近く、強い揺れに見舞われる可能性が高いとされています。特に、耐震補強がされていない住宅や古い建物が多いエリアでは、建物倒壊のリスクが高まります。
4. 洪水や浸水のリスクが高い地域
地震による地盤の変動や、堤防の破壊によって洪水や浸水が発生するリスクも考えられます。
- 岐阜市、大垣市周辺の河川沿い
長良川、木曽川、揖斐川などの大きな河川沿いに位置する岐阜市や大垣市では、地震により堤防が損傷した場合、大規模な洪水や浸水のリスクがあります。
岐阜県で特に危険とされるエリアまとめ
岐阜県で特に危険とされるエリアは、以下の通りです。
- 土砂災害の危険が高い山間部(飛騨地方、高山市、下呂市、美濃地方の山間部)
- 液状化のリスクが高い低地(岐阜市南部、各務原市、大垣市周辺)
- 揺れが強いと予測される地域(瑞浪市、恵那市、多治見市、中濃地域)
- 洪水・浸水のリスクが高い河川沿い(岐阜市、大垣市周辺)
これらの地域では、事前に防災計画を立て、避難経路や安全対策を確認することがとても重要です。
結論
岐阜県は内陸県なので、津波の直接的な影響は避けられるものの、強い地震動による建物の倒壊、土砂災害、ライフラインの長期停止が大きな問題となります。
特に古い建物や山間部では被害が集中する可能性が高く、避難生活や復旧・復興に向けた準備が必要。山間部は復旧も遅れがちなため、県全体での防災対策が急務です。
さらに、さまざまなライフラインやインフラが長期的に止まってしまった時に備えて、岐阜に住んでいる方は、「個人でしっかり備えておく」ことが非常に重要です。
もしまだ備蓄や準備をしていないのであれば、まずは一番大切な「水、食料、トイレ」から、少しずつ備えていってみませんか?↓