災害発生時、エレベーターが停電で動かなくなったらどうする?

エレベーター
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災害発生時にエレベーターが停電で動かなくなる事例はとても多く、特に地震や台風、大規模な停電が発生した際に頻繁に報告されています。

ここでは、いくつかの具体的な事例と、原因、対策について説明します。

過去の震災で、エレベーターが動かなくなった事例と原因

1. 事例: 東日本大震災(2011年)

  • 概要: 東日本大震災では、広範囲にわたる停電と揺れにより、多数のエレベーターが停止しました。震災当時、首都圏を含む多くの地域でエレベーターに閉じ込められた人が発生し、一部では救助に数時間以上かかるケースもありました。約1万5,000台以上のエレベーターが停止したと報告されています。
  • 原因: 地震に伴う停電が主な原因でした。エレベーターは電力で動作しているため、停電が起こると自動的に動かなくなります。また、地震発生時には揺れを検知して自動的に停止する地震感知装置が作動するため、安全のために強制的に運転が停止します。

2. 事例: 熊本地震(2016年)

  • 概要: 熊本地震では、震度7の強い揺れにより、多数のエレベーターが緊急停止しました。特に高層マンションやビルのエレベーターに閉じ込められた人が続出し、停電が長引く中、救助や復旧作業が大変困難でした。
  • 原因: この地震でも、揺れによる自動停止と、地震後の広範囲にわたる停電が原因でした。地震感知装置によってエレベーターが安全のために停止し、その後の停電で再起動ができない状況が発生しました。

3. 事例: 台風15号(2019年)の千葉県停電

  • 概要: 2019年の台風15号が千葉県を襲った際、猛烈な風によって電線が多数損傷し、大規模な停電が発生しました。この影響でエレベーターが停止し、高層マンションの住民がエレベーターの停止によって階段を使わざるを得ない状況が続きました。特に高齢者や身体に障害のある人が上階に住んでいる場合、生活が大きく制限されました。
  • 原因: 台風による強風で電線や送電設備が損傷し、長時間の停電が発生したため、エレベーターも動かなくなりました。この停電は数日間にわたり、多くのマンションやビルでエレベーターが復旧しない状態が続きました。

4. 事例: 北海道胆振東部地震(2018年)

  • 概要: 北海道胆振東部地震では、全道的な停電(ブラックアウト)が発生し、北海道全域でエレベーターが停止しました。停電時にエレベーターに閉じ込められた人々も多く、救助活動が行われました。また、停電が長期化したため、復旧が進むまで数日間エレベーターが利用できない状況が続きました。
  • 原因: 地震によって発生した全道規模の停電が原因です。特に大規模停電は電力供給の復旧に時間がかかり、エレベーターが数日間にわたって停止する結果となりました。

5. 事例: 台風19号(2019年)

  • 概要: 台風19号では、東京都内や関東圏の広範囲でエレベーターが停電の影響を受けました。高層マンションではエレベーターの停止が長期間続き、住民が物資を運ぶのに大きな困難を感じました。特に、多くのマンションでは緊急電源がないため、停電時のエレベーター稼働が不可能でした。
  • 原因: 台風による停電が原因です。強風や豪雨によって送電設備が損傷し、停電が広範囲に及んだため、エレベーターが長時間停止しました。

エレベーターから出られるまでにかかる時間の目安

エレベーターに閉じ込められた場合、通常は数十分から数時間以内に救助されることが多いです。ただし、具体的な時間は以下の要因によって変わります。

1. エレベーターの設置場所

  • オフィスビルや商業施設: これらの場所では、通常、管理会社や警備員が常駐しているため、すぐに非常通報が届き、早急に対応が始まります。多くの場合、閉じ込められてから30分以内に救助されることが一般的です。
  • マンションや住宅地: 管理人や住民による対応が必要なため、オフィスビルほど迅速ではないことがありますが、それでも1~2時間以内には救助されることが多いです。

2. 災害時かどうか

  • 通常の停電や機械故障の場合: 管理会社や技術者に連絡がすぐに取れるため、比較的短時間で救助されることが期待されます。早ければ30分から1時間以内に救助されることが多いです。
  • 災害時(地震や台風など): 災害時には、多くの場所で停電や設備の故障が発生するため、救助が遅れる可能性があります。特に、地震後にはエレベーターが自動停止して安全点検が行われるため、復旧までに数時間かかることがあります。大規模な災害時には、救助が1日以上遅れることも考えられます。

3. エレベーターの種類と設備

  • 非常用電源があるエレベーター: 非常用電源が備わっているエレベーターは、停電時でも短時間で復旧することがあります。この場合、電力が復旧すればすぐに再稼働し、最寄りの階に到達して外に出られることが多いです。
  • 古いエレベーター: 古いエレベーターでは、復旧が手動で行われる必要があるため、救助までの時間が長くなることがあります。

一般的な救助までの目安

  • 通常時: 30分~1時間以内に救助されることが多い。
  • 災害時: 数時間から1日以上かかることもあるが、通常は3~6時間程度で救助されることが多い。

災害時は通常の救助時間より長くなる可能性が高いので、冷静に待ち、エレベーター内の安全機能を信じて対処することが大切です。

エレベーターが停止した時の対処方法(具体的な手順)

災害時にエレベーターが停電などで停止した場合、どうすればいいのでしょうか?

まずはパニックに陥ることなく、冷静に対処することが大切です。

ここからは、閉じ込められた際の具体的な行動手順を説明します。

1. 冷静に状況を確認

  • ポイント: まずは深呼吸し、冷静になることが重要です。エレベーターは通常、閉じ込められたとしても安全に保たれています。エレベーターのカゴが落下したり、挟まれたりする心配は基本的にありません。
  • やってはいけないこと: 無理に扉を開けようとしたり、外に出ようとするのは危険です。エレベーターが突然再稼働する可能性があるため、むやみに動かないようにしましょう。

2. 非常ボタンを押す

  • 手順: エレベーター内には通常、**非常ボタン(非常通報ボタン)**が設置されています。このボタンを押すと、管理会社やビルの警備室に通報され、救助が必要であることを知らせることができます。
  • ポイント: 非常ボタンは停電時でも、バッテリーがある限り機能することが多いです。通報が繋がったら、閉じ込められていることを冷静に伝え、指示を待ちましょう。

3. インターホンや携帯電話で助けを呼ぶ

  • 手順: エレベーター内には、インターホンや緊急電話が設置されている場合があります。これを使って、ビルの管理会社や警備員と直接連絡を取ることができます。
  • 携帯電話: 携帯電話が使える場合は、110番(日本では警察)に連絡するか、ビルの管理会社に電話をかけて救助を要請します。ただし、エレベーターの中では電波が弱い場合もあるので、通信ができない場合は次の行動に移ります。

4. 外部に存在を知らせる

  • 手順: 通信手段がない場合や非常ボタンが作動しない場合、ドアを叩いたり声を出すことで、外部に閉じ込められていることを知らせましょう。特に災害時は他の人も同じ状況に陥っているかもしれないので、協力して声を出すと有効です。
  • ポイント: 長時間叩き続けたり大声を出し続けると体力を消耗するので、落ち着いて定期的に試みましょう。

5. 体力の温存と冷静な判断

  • ポイント: エレベーター内の環境が比較的安全であることを理解し、体力を温存することが大切です。エレベーターは密閉されておらず、空気の循環は確保されているため、窒息の心配は基本的にありません。
  • 行動: 長時間閉じ込められる可能性もあるため、座ったりして無理なく待つようにしましょう。特に災害時は救助が遅れる可能性があるため、落ち着いて対処することが大切です。

6. エレベーターの扉を開けない

  • やってはいけないこと: 自力でエレベーターの扉をこじ開けようとするのは、非常に危険です。エレベーターが途中の階に停止している場合、扉を開けた際に隙間に挟まれる危険があります。また、エレベーターが急に動き出す可能性があるため、むやみに扉を開けないようにしましょう。

7. 非常時の安全装置を信頼する

  • ポイント: 現代のエレベーターには、災害時や停電時にカゴが落下しないようなブレーキ機能や、安全装置が搭載されています。エレベーターは揺れを感知すると自動的に最寄りの階で停止し、安全な状態を維持する設計です。このため、外に出ようとせずに内部で待機することが安全です。

8. 電力が復旧するまで待つ

ポイント: 災害時の停電が原因でエレベーターが停止した場合、電力が復旧すれば自動的に再稼働することが多いです。復旧が確認されるまで冷静に待ちましょう。エレベーターが再稼働して自動的に最寄りの階に移動した際、外に出られる可能性があります。

災害時にエレベーターに閉じ込められた際の基本的な心構え

  1. パニックにならない: エレベーターの安全機能を信じ、冷静に行動する。
  2. 非常ボタンや通報装置を使用する: エレベーター内の非常装置を使って外部に連絡を取る。
  3. 外部に存在を知らせる: 通報ができない場合は、叩く音や声で助けを求める。
  4. 無理に脱出しない: エレベーターの扉をこじ開ける行為は危険なので、避ける。
  5. 待機して体力を温存する: 長時間になる可能性もあるため、エネルギーを節約しつつ冷静に対応する。

閉じ込められると不安になりますが、エレベーターには安全機構が備わっているため、基本的には安全です。救助が来るまでの間、冷静な対応が最も重要です。

わたしたちについて
株式会社ニコラス
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防臭に特化した災害用トイレを開発している会社です!
私たちは災害用トイレセットを開発・販売している会社です。元々は、愛知県の地元の電気屋さんでしたが、現在は自分たちで開発した防臭モコモコ泡スプレー「シューポン」(特許技術)を使って、世の中の悩みを解決する商品作りに励んでいます。困ったことに遭遇した時、困ったままで我慢しない、して欲しくない。 そのために私たち「ニコラス」があります。
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