在宅避難ではなく、避難所を選んだ人の「決め手」とは?
今は、災害発生時に基本的には「在宅避難」が推奨されている時代です。
在宅避難とは、避難所ではなく自宅で避難生活を送ること。
プライバシーも保たれ、メリットが多い在宅避難ですが、あえて避難所生活を選ぶ人たちもいます。
なぜ住み慣れた自宅ではなく避難所を選んだのか、「決め手」を探ってみました!
在宅避難ではなく、避難所を選んだ理由
1. 自宅が安全ではないから
避難所は、地震や洪水、津波などの災害からの安全が確保されている場所として指定されています。自宅がすでに被害を受けていたり、位置的に今後の危険がある場合には、避難所の方が安全です。
とくにこんな家。↓
・標高が低い(浸水の恐れがある)エリアの家
・その他の自然災害(土砂崩れなど)に巻き込まれる可能性のあるエリアの家
・築年数が古い家
・地震などですでに被害を受けている家
自治体から「避難勧告」が出ているエリアに住んでいる人は、在宅避難は危険なので、避難所生活を選んだ方がいいです。避難勧告は、専門家の判断に基づいているため、従うことで自身の安全を守ることにつながります。
2. ライフライン確保のため
自宅では、災害発生時に電気、水道、ガスなどのライフラインが停止する可能性が高いです。
しかし避難所ではそれらが優先的に復旧される場合が多いので、電気、水道、ガスが止まった場合の備えが何もない家の人は、どうしてもライフライン確保のために避難所に移る必要があります。
3. 支援物資を確実にもらうため
避難所には非常用物資や食料が備蓄されており、最低限の生活必需品も提供されます。
自治体や政府からの「支援物資」を確実に受け取ることができるのも、避難所利用のメリットです。
支援物資はまず避難所に届けられ、避難所の住民に行き渡ってから、在宅避難している人が避難所を訪れて支援物資を受け取る、という流れになっていることが多いです。
そのため在宅避難の人は支援物資の受け取りが遅くなることもあり、また足が不自由などの理由で外出できない人は、支援物資を受け取れないこともあります。
ただ最近は、「支援物資は本当に困っている人が優先」で、家にしっかり備蓄がある人は支援物資は不要な場合も多いです。
備蓄を全くしていなかった人は、避難所の方が確実に支援物資を受け取れて便利ですが、自宅にしっかり備蓄をしてある人は、支援物資に右往左往されずに済みます!
4. 医療・支援サービスのため
避難所には医療スタッフやボランティアが配置されていることがあり、急病やケガなどがあっても迅速に対応してもらえます。
持病がある人や、日常的に医療サポートが必要な人は、避難所を選んだ方がいい場合もあります。
5. 最新情報を収集したいから
避難所では、災害の最新情報や復旧状況が集まりやすく、正確な情報を早く得ることができます。
行方不明の家族がいる場合などは、見つかった際になるべく早く情報を得るために、家族のうち一人は交代で避難所にいる、という家族もいるそうです。
また、災害発生時の家族との待ち合わせ場所を避難所にしている場合も、避難所生活を選ぶ人が多いようです。
もし、自宅が安全なエリアにあって耐震構造もしっかりした家なら、万が一の時の集合場所を避難所ではなく自宅にした方が、安心して待つことができるかもしれません。
6. 精神的な支えを得たいから
大勢の人が同じ場所に集まり、お互いに支え合うことができるため、孤独感や不安感を和らげられることがあります。コミュニティの一員として助け合う環境は、心理的にも安心感を提供します。
とくに一人暮らしの高齢の方で、古い家に住んでいる方は、在宅避難よりも避難所で生活した方がいい場合もあります。
7. 自宅に備蓄が全くないから
自宅に備蓄が全くない(自分で用意していない)場合は、避難所の方がまともな生活を送れる可能性があります。
実は、飲料水や食料は、自治体からしっかり支援が出るので、そこまで心配はいりません。近年の日本で、「災害時に食糧不足による飢えで亡くなった」という方の話は聞いたことはないと思います。
しかし、多くの人が「避難所生活を送ることにした決め手」としてあげるのが、トイレ問題です。
災害発生時は長期の断水が起こることがあり、トイレを流せなくなります。
すると汚物が溜まり、トイレだけでなく家全体が悪臭に包まれてしまい、快適な在宅避難とは程遠い状態に…。
避難所なら仮設用トイレなどが最速で用意されるので、トイレ問題は解決できます。(毎回の長蛇の列、悪臭、面倒臭さなどのデメリットは多いですが…)
なので、自宅避難をしたいと少しでも思っているなら、まずは「災害用トイレセット」は必ず家に備えておくことをおすすめします!
まとめ
以上、在宅避難ではなく避難所生活を選んだ人の「決め手」について紹介でした!
いろんな状況と可能性を考えて、自宅で避難できる人はしっかり備えておくことをおすすめします!